太平洋戦争から復員後の30代半ばから画業を始めた渋谷円吉は、以降抽象画、バラの花、フランスの古城、みずみずしい裸婦像、雄大な山岳風景など、生活や旅から得たインスピレーションを起点に、多様なモチーフを淡く豊かな色調で詩情豊かに表現しました。本展では、昨年度長井市に寄贈された大作を中心に、今も市民に愛される郷土作家の画業をたどります。
長井市寺泉の豪農に生まれる。幼少時から画才を認められるも美術の道へ進むことは許されず、母親や弟妹を助けながら苦難の生活を送る。太平洋戦争時に徴兵され、帰還後に戦没者の肖像を描き生活の手立てとしたが、本格的に画業を志して洋画家・土田文雄に師事し、国画会展に出品。のちに会員となる。フランスや北海道を旅し、様々に画風を変えながら山形市を拠点に制作を続けた。詩人の真壁仁や、洋画家の真下慶治とも交流がある。
1912年 長井市寺泉に生まれる
1945年 終戦後、戦地から長井市に帰還。生活のため戦没者の肖像画を描く
1954年 国画会会員・土田文雄に師事
1955年 第29回国展に出品し入選。以来毎回入選
1963年 国画会会友に推挙され無鑑査となる
1972年 外遊(南フランス)
1976年 国画会会員に推挙(国展審査員)この間各地に於いて個展十数回
1977年 外遊(北海道)
1983年 外遊(中国)
1994年 長井市西根地区配水池の壁画原画を制作
1995年 渋谷円吉画集を出版(発行/スタジオ・ワン)
2004年 山形市で没
□ 期 間:2025年4月1日(火曜日~6月8日(日曜日)
□開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
□休館日:月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)
□会 場:旧丸大扇屋 内蔵・新蔵
□観覧料:無料
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