文教の杜ながいに収蔵された資料を紹介する展覧会シリーズ。夏を主題に描かれた美術品を中心に紹介します。
文教の杜ながいでは、長井市が所蔵する書画骨董などの美術品を収蔵管理し、その調査や利活用を行っています。本展では、その中から夏を題材にした山水画を中心に、長井市宮原にあった美術画廊「翠雲山房」より借用した作品を合わせてご紹介します。
西山と東山に囲まれ、その間を松川・白川・野川の合流により形成された最上川が流れる長井の地形は、人間形成にとって理想的な環境であると言われています*。また、本展の会場である旧丸大扇屋で生まれ育った、長井市名誉市民の彫刻家・長沼孝三は「長井の心」という一文において、この風土やそこで培われる人間性を「世界の宝」であると称えています。そのような長井の豊かな風土は、西洋化する明治期の日本美術界で日本的南画の確立に努めた南画家・菅原白龍や、農家に生まれながら画業を志し、独自の画境を開拓した洋画家・渋谷円吉、半身不随となりながらも左手一本で制作を続けた不屈の版画家・菊地隆知など、多くの芸術家を輩出するとともに、創作の源泉となってきました。
この度の展覧会は、それら郷土作家の作品を中心に「長井の宝」ともいうべきコレクションを公開する機会を設け、広く市内外の皆様に長井の文化を周知するべく開催するものです。夏の日差しの中、長井の風土が生んだ特色ある美術品の数々を、どうぞごゆっくりご鑑賞ください。
□ 2023/7.21(Fri)ー8.13(Sun) ※休館日:月曜日
□ 10:00ー17:00|入館は16:30まで
□ 丸大扇屋(内蔵・新蔵)