何かがおかしい 〜長沼孝三の思想と表現〜
長沼孝三彫塑館は、長井市の丸大扇屋に生まれた彫刻家・長沼孝三の彫塑作品や遺品などを収蔵し、年間3期の展覧会を通じてその作家像を紹介しています。第3期となる本展では、人間の内面や社会批判を含んだ≪怪≫の連作を中心に、生前、長沼に届いた卯年の年賀状コレクションや、デザイン作品、写真作品などを紹介します。
東京美術学校卒業後、新進気鋭の若手彫刻家として活躍した長沼孝三は、戦後《愛の女神》(1949年)、《慈愛》(1957年)など、人間愛にあふれる多くの作品を発表してきました。しかし58歳の頃に制作した《仮面》(1966年)を皮切りに、《うそふき》(1971年)、《傀儡》(1972年)など、人間や社会への批判的な主題に基づいた作品の発表を開始します。その後1974年に制作された《怪いよいよ怪》以降は、布で全身を覆った奇妙なポーズの人物たちがモチーフとなり、《居直った怪》(1979年)、《凶器を持たすな》(1982年)等、その意味深なタイトルも相まって独自の世界観を構築するに至りました。その作品群は、現代でも古びることのないメッセージを我々に投げかけています。
本展を通じ、長沼孝三の思想と表現に触れ、その複雑な芸術観を探ります。
期 間|9月13日(火曜日)〜 12月28日(水曜日)
開館時間|10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日|月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)、9月30日、11月30日(月末休館)
会 場|長沼孝三彫塑館
料 金|大人300円、高校生200円、小中学生100円
主 催|一般財団法人 文教の杜ながい