長井今昔・まちなか風景の変遷展示のため、黒獅子案内人を務めておられるお二人に古い写真を見ていただき、その撮影場所を特定していきました。映画館が3件もあってそこにデートに行って……というような青春の一コマや、そこにあったお店の話や、雪割の苦労話など、たくさんの思い出を聞かせていただきました。
その後、長井市の地域おこし協力隊である工藤裕太隊員とともに、写真と同じ視点からの風景撮影に赴きました。まったく昔と変わらない場所もあれば、何一つ痕跡がない場所、または道路や建物に名残が残っていたりする場所など、変わるものと変わらないものが混在する長井の風景を見て取ることができました。何も残っていなくとも、山の形だけは変わらないということも改めて確認しました。
展示会場でもたくさんの懐かしい思い出話が生まれています。
当時を知る世代でなくとも、長井を知るすべての皆様にとって感じることの多い写真だと思います。文教の杜が保管している写真ネガは2万点ほどあり、本展ではほんの一部しかご紹介できていません。今後も内容を入れ替えながら長井今昔シリーズとして継続していく予定です。
これらの写真は、そのほとんどが当時の市広報担当職員だった小口昭氏によって撮影されたものです。退職後は長井カメラクラブ会長や全日本写真連盟山形県本部副委員長などでご活躍されましたが、この会期始め頃ご逝去されました。謹んでご冥福をお祈り致します。(後藤)